遠見山古墳

曖昧さ回避 宮城県仙台市にある「遠見塚古墳」とは異なります。
遠見山古墳

墳丘(左に後円部、右奥に前方部)
別名 総社町6号墳
所属 総社古墳群
所在地 群馬県前橋市総社町総社1410(字給人城川甲)
位置 北緯36度24分34.73秒 東経139度2分37.45秒 / 北緯36.4096472度 東経139.0437361度 / 36.4096472; 139.0437361座標: 北緯36度24分34.73秒 東経139度2分37.45秒 / 北緯36.4096472度 東経139.0437361度 / 36.4096472; 139.0437361
形状 前方後円墳
規模 墳丘長87.5m
埋葬施設 (推定)竪穴式石室
出土品 土師器埴輪
築造時期 5世紀後半
史跡 国の史跡「遠見山古墳」
(「総社古墳群」に包含)
地図
遠見山古墳の位置(群馬県内)
遠見山古墳
遠見山古墳
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総社古墳群分布図

遠見山古墳(とおみやまこふん)は、群馬県前橋市総社町総社にある古墳。形状は前方後円墳。総社古墳群を構成する古墳の1つ。国の史跡に指定されている(史跡「総社古墳群」のうち)[1][2]

概要

総社古墳群7基
支群 古墳名 形状 規模 埋葬施設 築造時期 史跡指定
遠見山古墳 前方後円墳 墳丘長88m 竪穴式石室? 5c後半 国史跡
王山古墳 前方後円墳 墳丘長76m 横穴式石室 6c初頭 市史跡
王河原山古墳? 前方後円墳 (消滅)
二子山古墳 前方後円墳 墳丘長90m 横穴式石室2基 6c後半 国史跡
愛宕山古墳 方墳 一辺56m 横穴式石室 7c前半 国史跡
宝塔山古墳 方墳 一辺66m 複室横穴式石室 7c中葉 国史跡
蛇穴山古墳 方墳 一辺44m 横穴式石室 7c後半 国史跡

群馬県中部、榛名山東南麓・利根川西岸の前橋台地上に築造された古墳である。古墳名は墳丘が総社城の遠見櫓として利用されたことに由来する[3]。これまでに数次の発掘調査が実施されている。

墳形は前方後円形で、前方部を南西方向に向ける。墳丘外表では葺石円筒埴輪形象埴輪(人物埴輪など)が検出されているほか、前方部北側テラスでは土師器14点(高坏・大型高坏・坏・直口壺)が集積した祭祀跡が検出されている。また墳丘周囲には周濠が巡らされる。埋葬施設は竪穴式石室と推測されるが、これまでの調査では未検出のため明らかでない。

築造時期は、古墳時代中期の5世紀後半頃と推定される。総社古墳群では最古に位置づけられ、総社地域が古代上毛野地方(上野国)の政治的・文化的中心となる過程を考察するうえで重要視される古墳になる。

古墳域は2024年令和6年)に国の史跡に指定されている(史跡「総社古墳群」のうち)。

遺跡歴

  • 総社城絵図に記載[4]
  • 1991年度(平成3年度)、宅地開発に伴う確認調査:第1次調査(前橋市教育委員会、1992年に報告:城川I・II遺跡として)。
  • 1994年度(平成6年度)、公民館建設に伴う確認調査:第2次調査(前橋市教育委員会、1995年に報告)。
  • 2010年(平成22年)3月19日、前橋市指定史跡に指定[5]
  • 2017-2018年度(平成29-30年度)、範囲確認調査:第3次調査(前橋市教育委員会、2020年に報告書刊行)[4]
  • 2021年度(令和3年度)、範囲確認調査(前橋市教育委員会、2023年に報告書刊行)。
  • 2024年(令和6年)2月21日、国の史跡に指定(史跡「総社古墳群」のうち)。

墳丘

墳丘
左に前方部、右に後円部。

墳丘の規模は次の通り[4]

  • 古墳総長:106メートル - 周濠を含めた古墳全長。
  • 墳丘長:87.5メートル
  • 後円部 直径:52.5メートル
  • 前方部 幅:58.0メートル

周濠の外側に外濠が存在すると仮定した場合には、古墳全長は136メートル程度と推定される[4]

  • 後円部墳頂
    後円部墳頂
  • 前方部から後円部を望む
    前方部から後円部を望む
  • 後円部から前方部を望む
    後円部から前方部を望む
  • 出土埴輪 前橋市総社歴史資料館展示。
    出土埴輪
    前橋市総社歴史資料館展示。

文化財

国の史跡

  • 遠見山古墳(史跡「総社古墳群」のうち) - 2024年(令和6年)2月21日指定。

関連施設

  • 前橋市総社歴史資料館(前橋市総社町総社) - 遠見山古墳の出土埴輪等を展示。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 文化審議会の答申(史跡名勝天然記念物の指定等)について(文化庁報道発表 、2023年10月20日)。
  2. ^ 令和6年2月21日文部科学省告示第14号。
  3. ^ “総社・清里の文化財めぐり”. 前橋市教育委員会. 2023年1月17日閲覧。
  4. ^ a b c d 総社古墳群 範囲内容確認調査報告書I 2020.
  5. ^ 市指定文化財一覧(前橋市ホームページ)。

参考文献

(記事執筆に使用した文献)

  • 史跡説明板(前橋市教育委員会設置)
  • 「東国の雄 総社古墳群」(パンフレット)(前橋市教育委員会事務局文化財保護課、2016年)。 - リンクは前橋市ホームページ。
  • 地方自治体発行
    • 『総社古墳群 範囲内容確認調査報告書I -遠見山古墳の調査-』前橋市教育委員会、2020年。  - リンクは奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」。
  • 事典類

関連文献

(記事執筆に使用していない関連文献)

  • 『平成3年度 市内遺跡発掘調査報告書』前橋市教育委員会、1992年。  - リンクは奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」。
  • 『平成4年度 市内遺跡発掘調査報告書』前橋市教育委員会、1993年。  - リンクは奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」。
  • 『平成6年度 市内遺跡発掘調査報告書』前橋市教育委員会、1995年。  - リンクは奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」。
  • 『総社古墳群 範囲内容確認調査報告書II -遠見山古墳・総社二子山古墳・愛宕山古墳・宝塔山古墳・蛇穴山古墳の調査-』前橋市教育委員会、2023年。  - リンクは奈良文化財研究所「全国遺跡報告総覧」。

関連項目

  • 総社古墳群

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、遠見山古墳に関連するカテゴリがあります。
  • 総社・清里の文化財を訪ねて > 遠見山古墳 - 前橋市ホームページ