星界の断章
星界の断章 | |
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ジャンル | 冒険[1]、SF[1] |
小説 | |
著者 | 森岡浩之 |
イラスト | 赤井孝美 |
出版社 | 早川書房 |
レーベル | ハヤカワ文庫 |
刊行期間 | 2005年7月8日 - |
巻数 | 既刊3巻(2014年3月現在) |
アニメ:星界の断章 -誕生- | |
監督 | 鍋島修 |
脚本 | 村上ヒロアキ |
キャラクターデザイン | 渡部圭祐 |
メカニックデザイン | 筱雅律 |
音楽 | 服部克久 |
アニメーション制作 | サンライズ |
製作 | サンライズ、WOWOW バンダイビジュアル |
放送局 | WOWOW |
放送期間 | 2000年4月7日 - (特別番組) |
話数 | 全1話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | ライトノベル・アニメ |
ポータル | 文学・アニメ |
『星界の断章』(せいかいのだんしょう)は、森岡浩之による『星界の紋章』『星界の戦旗』の短編小説集。これまでに早川書房から3巻が刊行されている。
概要
森岡の代表作『星界の紋章』・『星界の戦旗』の番外編となる短編小説。本編では描かれないアーヴの誕生から星界本編までの歴史上重要なエピソードや、登場キャラクターにまつわるエピソードを中心に描かれている。また、『超外伝』とタイトルについたセルフパロディものも存在する。
SFマガジンに不定期掲載されることが多いが、それ以外にアニメ、ゲーム、ドラマCD関連の商品に収録されることも多い。また、同人誌で発表されることもある。後に発売される文庫本には書き下ろし作品が収録されている。
一部の作品はドラマCD化やアニメ化が行われた。
星界の断章I
- 創世
- 『SFマガジン』1999年2月号に発表。アーヴの原型「作業生体」の誕生と、彼らの母都市からの訣別を描く。
- 「作業生体」誕生に携わった2人の男。そして、ユアノンを発見した「作業生体」たち。両者の関わりとは。
- 超外伝・饗宴
- 1997年、『こうしゅうえいせい・逆境』(谷甲州黙認FC青年人外協力隊の冊子)に収録したセルフパロディー。
- 帝国で年に2度開かれる饗宴「ソビーク」。そこでジントが見たものとは。
- 蒐集
- 『SFマガジン』1999年9月臨時増刊号「星ぼしのフロンティアへ」に発表。「空間放浪時代」、アーヴたちが平面宇宙航法の研究のためにユアノン(後の「閉じた門」)を蒐集していた時のエピソード。
- 他星系への植民へ向かったヘルー・ネブー星系の宇宙船「マアト・カー・ラー」から、動力源のユアノンが突如脱落した。それから5年後、たまたま通りかかったアーヴの宇宙船「アブリアル」に彼らは助けを求める。
- 超外伝・哺啜
- 2000年、『帝都情報局1』 FCG「アーヴによる人類帝国」に発表。サムソンのアニメ上の設定の裏話として書いたセルフパロディー。
- サムソンの故郷ミッドグラット。サムソンは、自らが大人になったことを証明するため、ある料理を作りにクレンメン山へ向かう。
- 君臨
- 『SFマガジン』1997年2月号に発表。レトパーニュ大公爵ペネージュが大公爵公女だった時の出来事を描く。
- ペネージュが16歳になった日、母の大公爵アセーヌが、突然帝都へ旅立った。ペネージュにとっては教師でもある母から、留守中の課題が言い渡される。
- 超外伝・秘蹟
- 2000年5月発売のPlayStationソフト「星界の紋章」付録として発表されたセルフパロディー。帝国の主計修技館に入学したジントのエピソード。
- 入学したのはいいが、自分以外の学生は生まれながらのアーヴばかりで戸惑うジントを、「委員長」が何かと助ける。
- 夜想
- 『星界の戦旗読本』(早川書房、2001年 ISBN 4-15-208359-X)に発表。ソバーシュの交易時代を描く。
- ソバーシュは交易のために立ち寄ったフェゼール伯国惑星ガーフェウで、あるものを見る。
- なお、本編では曖昧、アニメ版では明確に女性と設定されたソバーシュは、この作品では明確に男性として描かれる。
- 超外伝・戦慄
- 2003年9月発売のWindows向けゲームソフト「星界の戦旗」付録として発表されたセルフパロディー。
- 交易から星界軍へ復帰したソバーシュは、不穏な動きを見せる従士たちの監視任務につく。
- 誕生
- 『SFマガジン』1996年8月号で発表。ラフィール誕生にかかわる物語。
- ドゥビュースとレクシュは、探査船に乗ってかつての太陽系を訪れる。
- 暴君
- 2002年、原作者公認のファンクラブ「アーヴによる人類帝国」関西支部の冊子『天の遊戯』に収録したセルフパロディー。
- スポール提督に仕える苦労人・クファディス参謀長と、今は亡き姉との関わりが描かれる。
- 接触
- 『星界の紋章 読本』(早川書房、1999年 ISBN 4-15-208211-9)に発表。アーヴによるハイド星系発見の経緯。
- 未探査の「門(ソード)」をさがす2人(+1人)の探査屋たち。彼らが偶然見つけた門は、かつての恒星間宇宙船の動力源だった。
- 原罪
- 書き下ろし。アーヴの原罪である、「母都市の破壊」についての話。
- ラフィールの修技館入学前の饗宴の日、父ドゥビュースは、彼女を先祖の墓地へ連れて行く。そして、ドゥビュースは「アーヴの原罪」について語り始める。
星界の断章II
- 併呑
- 2005年10月発売の『星界の紋章ドラマCDボックス』付録。『紋章1』内のエピソードで、ハイド星系主席ロック・リンがハイド伯爵となる過程を描く。
- 交渉期限まであと20分。ロックは、流砂艦隊司令長官・帝国皇太子ドゥサーニュに対して驚くべき提案をする。それは、自分を領主にしてくれ、というものだった。
- 嫉妬
- 『星界の紋章フィルムブック1』(ハヤカワ文庫JA 663、2001年 ISBN 415030663X)に収録。上と同じく『紋章1』内のエピソード。ハイド星系の降伏後にヴォーラーシュ伯国惑星デルクトゥーに移り住んだリン・ジントの少年時代を描く。
- ジントは、デルクトゥーのスポーツ・ミンチウのチームのメンバーだった。その仲間の一人が、「アーヴの真実」を教えてやるとジントらに言う。
- 着任
- 2005年12月発売の『星界の戦旗ドラマCDボックス』付録。『紋章3』のエピローグ直前のエピソード。ジントとサムソンとの出会いを描く。
- 最先任従士長だったサムソンは、悩んだ末に士族としてアーヴの一員となることを選ぶ。監督として突撃艦の模擬訓練を受けていたとき、彼はリンと名乗る若い書記と出会う。
- 童友
- 2006年2月発売の『星界の戦旗2ドラマCDボックス』付録。『戦旗1』の終わり近くのエピソード。『童戯』の続編であり、エクリュアと、幼馴染のサグゼールとの再会を描く。
- アプティック門沖会戦が終わり、ヴォベイルネー鎮守府に待機していたエクリュアは、幼なじみのサグゼールと再会する。
- 転居
- 2006年4月発売の『星界の戦旗3ドラマCDボックス』付録。『戦旗2』の直後のエピソード。
- ハイド伯国を帝国が奪還したのを受けて、ジントは領地の運営方法について元・フェブダーシュ男爵スルーフに教えを請う。
- 謀計
- 『星界の紋章フィルムブック3』(ハヤカワ文庫、2001年 ISBN 4-15-030668-0)に収録。星界軍・トライフ提督の物語。
- 修技生時代、トライフは不倶戴天の敵・カシュナンシュと談合せざるを得ない窮地に陥っていた。
- 球技
- 『星界の戦旗フィルムブック2』(ハヤカワ文庫、2001年 ISBN 4-15-030674-5)に収録。現・フェブダーシュ男爵ロイの、修技館入学前のエピソード。
- フェブダーシュ男爵公女ロイは、アーヴ固有の球技ベルポウコスに熱中していた。ロイを指導する女性コセールとの関わりが描かれる。
- 訣別
- 『星界の紋章フィルムブック2』(ハヤカワ文庫、2001年 ISBN 4-15-030666-4)に収録。元・フェブダーシュ男爵領家臣フェグダクペ・グレーダには、悲しい過去があった。
- 惑星ミルケーズ出身の女性ハンナ・デリーズは、養育方針で夫と対立し、結果として愛する息子と離れ離れになってしまう。
- 童戯
- 『星界の戦旗フィルムブック1』(ハヤカワ文庫、2001年 ISBN 4-15-030672-9)に収録。エクリュアの少女時代を描く。
- エクリュア一族は、帝都ラクファカールにある古い突撃艦で暮らしていた。「幽霊船」が見つかったことを知ったノールは、エクリュアの仲間たちと幽霊船に向かう。
- 祝福
- 『星界の戦旗フィルムブック3』(ハヤカワ文庫、2001年 ISBN 4-15-030678-8)に収録。『原罪』の直前のエピソード。
- ラフィールが修技館入学資格を得た日。クリューヴ王宮には、皇帝以下帝国の貴顕たちが祝福のために集まっていた。ラフィールは、父から秘密にされている自分の遺伝子提供者が、ある人物だと確信していた。
- 変転
- 『SFマガジン』2006年4月号に発表。帝国の最後にして最大の内乱「ジムリュアの乱」の顛末。
- 一介の地上人から帝国地上軍元帥にまで登りつめたジムリュアことリンダ・ナルンは、ある理由からアーヴに対してコンプレックスを抱いていた。それは、次第に反乱の意思へ変わっていった。
- 墨守
- 書き下ろし。「空間放浪時代」に起こった、アーヴ創成期の記録消失事件の真相。
- アーヴの宇宙船「アブリアル」は、交易のために惑星メルハバに到着した。しかし住民は、アーヴが人工生命体と知るや交易を打ち切ってしまう。そして、船王ドゥロイは、驚くべき命令を発する。
星界の断章III
- 野営
- 伝統的に、星界軍は地上世界を知らないアーヴに地上生活を体感させるため、帝都の巨大人工惑星で訓練を行う。その地上で、ちょっとした事件が発生する。
- 「皇族の章」「貴族の章」「士族の章」の3章からなる。 それぞれ初出は
- 2010年5月28日発売の「EMOTION the Best 星界の紋章 DVD-BOX」の付録に「野営~ドゥサーニュの場合」として発表
- 2010年6月25日発売の「EMOTION the Best 星界の戦旗 DVD-BOX」の付録に「野営〜ペネージュの場合」として発表
- 2010年7月23日発売の「EMOTION the Best 星界の戦旗II・III DVD-BOX」の付録に「野営〜ノールの場合」として発表
- 出奔
- 2011年3月23日発売の「星界の断章オーディオドラマCDブック with 星界の紋章&星界の戦旗」の付録として発表
- 13歳の時、ドゥヒールは家出を決意した。自立の方法はともかく、取り敢えず王宮を出ようと叔母の宇宙船に密航するが、彼も想像だにしなかった事態が起こる。
- 介入
- 2013年3月25日発売の「S-Fマガジン2013年5月号」に掲載
- スーメイ人との間のとある契約によって危機に陥ったベリサリア星系に、アーヴの艦隊が「アーヴによる人類帝国」創建の報知を携え来訪した。政府交渉官アルコ・アウゴはアーヴとの交渉準備のためアーヴの艦隊へと赴く。
- 誘引
- 2007年8月「饗宴mini女子部」より発行された同人誌「月と星の宴」に収録
- 翔士修技生を全うし列翼翔士となったクファディスに、同時に修技生を終えたスポールの青年がある計画を持ちかけた。
- 海嘯
- 2013年8月25日発売の「S-Fマガジン2013年10月号」に掲載
- ドゥビュースの妹、ラムリューヌの惑星可住化改造の顛末。彼女の領地の惑星改造も終盤にさしかかった。久しぶりに領地を訪れてみると、領地の管理を任せている代官はおらず、なぜか生態系調整官が通信を送ってきた。彼の報告は「海が自殺を思いとどまり、放浪している」というものだった。
- 離合
- 2013年11月25日発売の「S-Fマガジン2014年1月号」に掲載された「岐路」を改題。
- 帝都侵攻に際した、コリュア館とエクリュア館の運命。帝都陥落が迫り、緊急遷都準備令が発せられた。コンサは生家コリュア館を含む14の軌道館の住民の避難と、軌道館1つの要塞化の指揮を任ぜられる。住民たちの会議の場でコンサはかつて想人であったエクリュアのナースと再会する。
- 来遊
- 書き下ろし。
- アーヴによる平面宇宙航法実用化の回顧録。ビボース氏が入手した理論の実用化を当時の船王が決断。新航法の開発が始まるものの時間がかかっていた。そこへ前回交易を行った地上世界から新航法の実用化に参画したいという通信が入る。
未刊行作品
- 超外伝・宿敵 - 2005年4月発売のPlayStation 2ソフト「星界の戦旗」の付録として発表。
- 継承 - 2019年12月25日発売の「星界 Complete Blu-ray BOX」の封入特典として発表。
- 観光 - 2019年12月25日発売の「星界 Complete Blu-ray BOX」のAmazon.co.jp法人特典として発表。
- 過疎 - 2019年12月25日発売の「星界 Complete Blu-ray BOX」のアニメイト法人特典として発表。
登場人物
既刊一覧
- 森岡浩之(著) / 赤井孝美(イラスト) 『星界の断章』 早川書房〈ハヤカワ文庫JA〉、既刊3巻(2014年3月20日現在)
アニメ
『誕生』のみ、アニメとして製作されている。2000年4月7日にWOWOWにて放送された。ビデオ、DVDが発売されている。
- スタッフ
-
- 企画 - 渡辺繁、植田益朗
- 監修 - 長岡康史[5]
- 監督・絵コンテ・演出 - 鍋島修[5]
- 脚本 - 村上ヒロアキ[5]
- ビジュアルコンセプト - 赤井孝美[5]、江田恵一[5]
- キャラクターデザイン - 渡部圭祐[5]
- メカニックデザイン・作画監督 - 筱雅律[5]
- 美術監督 - 岡田有章[5]
- 色彩設計 - 横山さよ子[5]
- 撮影監督 - 白井久男[5]
- 編集 - 瀬山武司[5]
- 音響監督 - 小林克良[5]
- 音楽 - 服部克久[5]
- 音楽制作 - BeSTACK[5]
- プロデューサー - 海部正樹[5]、岩田幹宏[5]、杉田敦[5]、積惟文[5]
- 製作 - サンライズ[5]、WOWOW[5]、バンダイビジュアル[5]
- DVD
# | 発売日[6] | 規格品番 |
---|---|---|
1 | 2000年8月25日 | BCBA-0540 |
ラジオドラマ
『接触』、『原罪』、『併呑』、『童友』が下記のCDドラマ6作と共に2006年にエフエム大阪によりネットラジオとして放送された。『原罪』は、同年死去した鈴置洋孝が出演した星界シリーズの遺作となった。
CDドラマ
『君臨』・『誕生』がラジオドラマに先駆けてCDドラマとして2001年にリリースされた。のちに2006年にリリースされた「星界の戦旗II」CD-BOX(初回限定版)に第5話『童戯』と共に付録として収録されている。また、第3話『祝福』が「星界の紋章」CD-BOX付録、第4話『球技』が「星界の戦旗」CD-BOX付録、そして第6話『嫉妬』が「星界の戦旗III」CD-BOX付録として収録された。
なお、上記のドラマはいずれも2006年にエフエム大阪のラジオドラマ「星界の戦旗IV」放送終了後に放送された。
2011年2月23日には、『接触』、『原罪』、『併呑』、『童友』が「星界の断章オーディオドラマCDブック with 星界の紋章&星界の戦旗」としてリリースされた。
2019年12月25日に発売された「星界 Complete Blu-ray BOX」のA-on STORE(バンダイナムコアーツ公式ショップ)法人特典として新規録り下ろしドラマCD「『星界の断章 離合』~ラクファカール陥落の日~」が収録された。
脚注
- ^ a b 『このライトノベルがすごい!2006』宝島社、2005年12月10日、101頁。ISBN 4-7966-5012-1。
- ^ “星界の断章 I”. 早川書房. 2022年12月13日閲覧。
- ^ “星界の断章 II”. 早川書房. 2022年12月13日閲覧。
- ^ “星界の断章 III”. 早川書房. 2022年12月13日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u “星界の断章 誕生”. allcinema. 2023年10月28日閲覧。
- ^ “星界の断章 誕生”. オリコンニュース. 2024年5月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年5月11日閲覧。
外部リンク
- 星界Web(アニメ 公式サイト)
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