早見純

曖昧さ回避 この項目では、漫画家の早見純について説明しています。「太陽にほえろ!」に登場するマカロニ刑事こと早見淳については「太陽にほえろ!#七曲署捜査第一係刑事」をご覧ください。
早見純
本名 非公開
生誕 不明
日本の旗 日本広島県
国籍 日本の旗 日本
職業 漫画家
漫画編集者[1]
活動期間 1983年 -
ジャンル エロ劇画
鬼畜漫画
猟奇漫画
恐怖漫画
受賞 第2回小学館新人コミック大賞佳作
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早見 純(はやみ じゅん、生年月日不詳)は、日本鬼畜系漫画家[1]

来歴・作風

広島県出身。デビュー以前は『月刊漫画ガロ』(青林堂)にも作品を投稿していたが音沙汰がなく、代わりに『週刊少年サンデー』(小学館)に投稿した作品が第2回小学館新人コミック大賞少年まんが部門佳作を受賞し『増刊少年サンデー1978年8月号掲載の入選作「雪山の対決」で漫画家デビューする[1]。同期の漫画家に同じ新人賞少年部門でデビューした高橋留美子がいる[1]

その後、少年漫画は自分のやりたい世界ではないと思い、5年間作品を発表せず、1983年に現在の早見純スタイルで再デビュー[2]。以後、端正な劇画タッチで猟奇犯罪少女趣味などのタブーを暴き出す作風でカルト的人気を得る。

宮崎勤事件の影響を受けて1989年頃に休筆し[1]エロマンガの編集などサラリーマン生活を7年ほど送る。その後、大西祥平による復刻本刊行等による再評価もあり、光彩書房発行の鬼畜系アンソロジー激しくて変』に発表した新作「復活祭」で2000年に再デビュー。漫画家としての活動を本格的に再開する。

2000年に上梓した傑作選『ラブレターフロム彼方』(太田出版)以降は国内外のサブカルチャーファンにも一目置かれる存在として注目される[1][3]

2015年には単行本『性なる死想』(あまとりあ社)が東京都から不健全図書指定を受け一部で話題となる[1]。本書はAmazonで発売停止となるが(東京都が指定した不健全図書・有害図書は原則Amazonで取り扱われない)、中野ブロードウェイ3Fにあるタコシェでは直筆サイン本が置かれ、現在までに1200冊以上を売り上げたという。なお早見純、三条友美ダーティ・松本が参加したエロ劇画アンソロジー『劇画あまとりあ』(久保書店)も同じく東京都から不健全図書に指定された[1]

陰惨な描写が多い猟奇的な作風だが、時折突拍子もないギャグを織り交ぜたり、シュール4コマ漫画を描くこともある[4]。また近年のインタビューでは「絵柄を変えて、ほのぼのした作品も描きたい」という旨の発言も行っている[1]

人物

著作

単行本

  • 『マドンナのしずく』(1984年9月 久保書店
  • 『美しき屈折』(1985年12月 久保書店)ISBN 978-4765921145
  • 『これが芸術だ』(1986年4月 一水社
  • 『あどけない迷宮』(1987年7月 久保書店)
  • 『ピンクの贈り物』(1987年7月 司書房
  • 『必死の快楽』(1988年7月 一水社)
  • 『乙女の遺言』(1989年1月 一水社)
  • 『血まみれ天使』(1999年6月 久保書店)ISBN 978-4765923361
    • 『同上』愛蔵版(2011年12月 久保書店)ISBN 978-4765925372
  • 『ラブレターフロム彼方』(2000年9月 太田出版)ISBN 978-4872335392
  • 『地獄のコミュニケーション』(2001年2月 太田出版)ISBN 978-4872335736
  • 『純の魂』(2002年9月 青林工藝舎)ISBN 978-4883791187
  • 『卑しく下品に』(2004年6月 一水社)ISBN 978-4870765696
  • 『にえたぎる蜜』(2004年11月 久保書店)ISBN 978-4765924504
  • 『変態少年―純の幸福な日々』(2005年11月 久保書店)ISBN 978-4765905787
  • 『暗黒ロマンス』(2009年2月 久保書店)ISBN 978-4765930123
  • 『純のはらわた』(2009年7月 久保書店)ISBN 978-4765930130
  • 『性なる死想』(2015年8月 あまとりあ社
  • 『劇画あまとりあ』(2015年12月 久保書店)
  • 『今夜も眠れない! 早見純初期クズ作品集』(2018年3月 グループ・ゼロ)※電子書籍

同人誌

  • 『純にもぬかりはある 自選最低作品集』(ひよこ書房
  • 『純の自己嫌悪 自選大失敗作品集』(ひよこ書房)

雑誌特集

  • 青林工藝舎『アックス』Vol.26 2002年4月
    • 特集 暗黒大陸早見純/清純対談・早見純×伊藤清美

参考文献

  • 早見純『ラブレターフロム彼方』太田出版 2000年9月
    • 早見純、本邦初ロング・インタビュー「マンガに、命をかけたかったんですよ」(聞き手・構成 大西祥平)
  • 青林工藝舎『アックス』Vol.26 2002年4月
    • 特集 暗黒大陸早見純/清純対談・早見純×伊藤清美
  • 早見純『純の魂』青林工藝舎 2002年9月
    • 巻末座談会「早見純と愉快な仲間たち/早見純 VS 20代ギャルズ」
  • 稀見理都『エロマンガノゲンバ』三才ブックス 2016年12月 p.270-281 早見純インタビュー

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 稀見理都『エロマンガノゲンバ』三才ブックス 2016年12月 p.270-281、早見純インタビュー
  2. ^ a b 早見純『ラブレターフロム彼方』太田出版 2000年 p.201-206、早見純ロングインタビュー「マンガに、命をかけたかったんですよ」(聞き手・構成 大西祥平)
  3. ^ 2002年刊行の単行本『純の魂』(青林工藝舎)はフランスでも翻訳出版されている。
  4. ^ 一部の4コマ作品は『純の魂』(青林工藝舎)にも収録されている。

外部リンク

  • 鬼畜漫画家・早見純 SPECIAL INTERVIEW
  • 人間はただの肉塊である-早見純『純のはらわた―血みどろ怪奇作品集』
  • 日本正しい映画の見方を教える市民の会:「自選最低作品集 純にもぬかりはある」
  • 漫画好きにオススメのエロ漫画 早見純「卑しく下品に」 - ウェイバックマシン(2008年12月1日アーカイブ分)
  • ニュースで楽しむ掲示板 早見純「卑しく下品に」
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