(かた)

  • 個々のもの形を生ずるもととなるもの[1]
    • ものを作るときに形をつくりだすもとになるもの[1]。現物あるいは模型から形状を複製して個々の目的物を作る。→原型・金型鋳型型紙型枠セルクル(洋菓子用)。底のない型のことを(フレーム)とも呼ぶ。目的物が立体的なものである場合、目的物と同じ形を持つ型を雄型(内型)、目的物と逆の凹凸を持つ型を雌型(外型)という。
  • 伝統や習慣として決まった形式[1]伝統習慣
  • 武道・伝統芸能・スポーツなどで規範となる方式[1]。名人などによって生み出された技法や表現形式といえる[2]。「機械・工業製品の"型"とは違い、カタに嵌ったものではないし、そうであってはならない」という意味でと書くことも多い。「規範動作」 
  • ものをに分けた時(つまり分類した時)それぞれの類の特質をよく表したもの[1]。典型。タイプ →典型タイプ
  • コンピュータで扱うデータの決められた形式・種類(整数型、浮動小数点型、文字型、集合型、ポインタ型 等)→データ型
  • 一定の設計理念に基づく製作物・製品の集合、あるいはその設計要項。型の名称は設計者の名が使われることが多い。「」「」とも。また、共通点の多い製品群(機械製品・建築物・アパレルなど)。名称は代表的製品の名が使われることが多い。
    • 「ニュートン型反射望遠鏡」「ケプラー型屈折望遠鏡」等→天体望遠鏡
    • 「ABC製造会社のXYZ型コンピュータ」、自動車の形式、エンジンの形式 等々
    • 大和型戦艦松型駆逐艦、千代田型軍艦など。(軍艦等の型は「」も参照)
    • 「人型機械」「生物型機械」「犬型ロボット」「鳥型○○」「○○魚型」…→ヒューマノイドロボット
  • 生物学における分類上の位。「琉球列島型」、「縦縞型」、「橙色型」などのように使われる。種及び亜種の下に設置される分類段階。人種民族はこの分類段階に相当する。類義語に地域個体群品種などがある。
  • 生物学における種の多様性の表現。「色彩多型」や、「季節多型」、「血液型」などが含まれる。「しわ型」、「花紫型」、「遡河回遊型」などのように使われる。この意味での型という表現には2つの異なった定義が存在する。そのほかランダムに発生する変種のことを指す場合もある。varietyの一つと捉えられる。
    • 表現型を表すことときに使われる。遺伝子から受け継がれる。人の指紋の巻きや、血液型など。と書くことも多い。「丸形」、「花粉長型」などのように使われる。
      • 血液の血球の抗原の違いをもとに決めた血液の分類。ABO型、RH型、MN型などによる分類がある。→血液型
    • 環境による形態及び生態の特徴を表すときに使われる。アジサイの花の色や、ショウジョウバッタの色、サクラマス陸封型ヤマメなどがある。「褐色型」、「降海回遊型」などのように使われる。
  • 遺伝子型の意味で型という表現が使われることもある。

脚注

  1. ^ a b c d e f 広辞苑第六版「かた(形・型)」
  2. ^ a b ブリタニカ百科事典「型」

関連項目

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