国鉄5950形蒸気機関車
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4b/JGR-5950SL.jpg/240px-JGR-5950SL.jpg)
5950形は、かつて日本国有鉄道の前身である鉄道院・鉄道省に在籍したテンダ式蒸気機関車である。
概要
元は、山陽鉄道が1898年(明治31年)にアメリカのロジャーズ社で11両(製造番号5233 - 5243)を製造した、車軸配置4-4-0(2B)、2気筒単式の飽和式テンダ機関車である。山陽鉄道での形式は13形、番号は71 - 81であった。1906年(明治39年)、山陽鉄道は国有化されたが、しばらくは山陽鉄道時代の形式番号で使用された。その後、1909年(明治42年)には鉄道院の車両形式称号規程が制定され、本形式は5950形(5950 - 5960)に改められた。
山陽鉄道が急行列車牽引用として本格的に導入したのが本形式で、直径1524mm(5フィート)の動輪を持つ。形態は、典型的なアメリカ古典機スタイルで、ボイラーはワゴントップ形で第1缶胴に砂箱、第3缶胴上に蒸気ドーム、火室上に台座付きの安全弁を設けている。同時期に製造された14形(後の鉄道院8400形)と炭水車は同一で、系列設計となっている。
また、同時期にボールドウィン社で製造された12形(後の鉄道院5900形)とは、細部の寸法は異なるものの、ほぼ同形同大である。
配属は山陽本線で、大正中期から総武本線、房総線に転属した。廃車は全車1922年(大正11年)である。
主要諸元
- 全長 : 14,478mm
- 全高 : 3,696mm
- 全幅 : 2,629mm
- 軌間 : 1,067mm
- 車軸配置 : 4-4-0(2B)
- 動輪直径 : 1,524mm
- 弁装置 : スチーブンソン式アメリカ型
- シリンダー(直径×行程) : 381mm×559mm
- ボイラー圧力 : 10.2kg/cm2
- 火格子面積 : 1.23m2
- 全伝熱面積 : 87.0m2
- 煙管蒸発伝熱面積 : 79.3m2
- 火室蒸発伝熱面積 : 7.6m2
- ボイラー水容量 : 3.3m3
- 小煙管(直径×長サ×数) : 44.5mm×3343mm×170本
- 機関車運転整備重量 : 34.40t
- 機関車空車重量 : 30.83t
- 機関車動輪上重量(運転整備時) : 22.76t
- 機関車動輪軸重(第1動輪上) : 11.79t
- 炭水車重量(運転整備) : 24.67t
- 炭水車重量(空車) : 14.38t
- 水タンク容量 : 9.71m3
- 燃料積載量 : 2.95t
- 機関車性能
- シリンダ引張力 : 4,620kg
- ブレーキ装置 : 手ブレーキ、真空ブレーキ
参考文献
- 臼井茂信「国鉄蒸気機関車小史」1958年、鉄道図書刊行会刊
- 臼井茂信「日本蒸気機関車形式図集成」1969年、誠文堂新光社刊
- 臼井茂信「機関車の系譜図 2」1972年、交友社刊
- 金田茂裕「形式別 国鉄の蒸気機関車 III」1978年、エリエイ出版部 プレス・アイゼンバーン刊
- 金田茂裕「日本蒸気機関車史 私設鉄道編 I」1981年、エリエイ出版部 プレス・アイゼンバーン刊
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形式称号設定以前 | |
タンク機関車 | 1形 (700) ・ 2形 (500) ・ 6形 (3300) ・ 9形 (850) ・ 10形 (950) ・ 11形 (1010) ・ 15形 (1020) ・ 21形 (200) ・ 23形 (3300) ・ 24形 (3400) ・ 28形 (3380) ・ 29形 (60) ・ 30形 (1200) ・ 31形 (1230) ・ 32形 (3360) ・ 35形 (3700) |
テンダー機関車 | 3形 (5300) ・ 4形 (5400) ・ 5形 (8450) ・ 7形 (8350) ・ 8形 (5060) ・ 12形 (5900) ・ 13形 (5950) ・ 14形 (8400) ・ 16形 (6120) ・ 17形 (6100) ・ 18形 (5480) ・ 19形 (5050) ・ 20形 (8380) ・ 22形 (8250) ・ 25形 (6100) ・ 26形 (5200) ・ 27形 (8500) ・ 33形 (6050) ・ 34形 (6100) |