フー・ツォン

傅 聡
1965年
基本情報
生誕 (1934-03-10) 1934年3月10日
中華民国の旗 中華民国 上海
出身地 上海
死没 2020年12月28日(2020-12-28)(86歳)
イギリスの旗 イギリス ロンドン
学歴 ワルシャワ音楽院
ジャンル クラシック音楽
職業 ピアニスト
担当楽器 ピアノ
ウィキポータル クラシック音楽
ポータル クラシック音楽

フー・ツォン中国語: 傅 聰 / Fou Ts'ongあるいはFu Cong, 1934年3月10日 - 2020年12月28日)は、中国上海市出身のピアニスト

経歴

父親は上海芸術大学教授であり、翻訳家文学者の傅雷(フー・レイ)[1]コスモポリタンインテリの家庭に生まれ、上海交響楽団創設者のマリオ・パーチ(en:Mario Paci)にピアノの手ほどきを受ける。1953年ワルシャワ音楽院留学し、ズビグニェフ・ジェヴィエツキに師事。特にマズルカのリズムについて薫陶を受ける。1955年の第5回ショパン国際ピアノコンクールで第3位。併せてポーランド・ラジオ賞(マズルカ賞)を受賞。

両親が文化大革命の犠牲となったため、中華人民共和国への帰国を諦め[2]1960年より活動拠点をロンドンに移し、世界中で演奏活動やマスタークラスの開催に取り組む。モーツァルト弾きやショパン弾きとして知られ、ヘルマン・ヘッセは、フー・ツォンこそショパンを正しく演奏できる唯一のピアニストであると折り紙をつけた。ほかに、モーツァルトピアノ協奏曲ドビュッシーピアノ曲でも独自の解釈を見せている。

マルタ・アルゲリッチレオン・フライシャーラドゥ・ルプーと親しく、アルゲリッチは、しばしば別府アルゲリッチ音楽祭に彼を招いて共演している。ルプーはフー・ツォンの作品についての洞察力や、ピアノ界に対する影響力を認めているという。

2020年12月28日、2019新型コロナウイルス感染症によりロンドンで死去[3]

参考書籍

  • 傅雷 著(榎本泰子訳)『君よ弦外の音を聴け―ピアニストの息子に宛てた父の手紙』 (樹花舎、2004年、ISBN 4434042130)
  • 森岡葉 著『望郷のマズルカ―激動の中国現代史を生きたピアニスト フー・ツォン』(ショパン、2007年、ISBN 9784883642366)

脚注

  1. ^ 吉澤ヴィルヘルム『ピアニストガイド』青弓社、印刷所・製本所厚徳所、2006年2月10日、80ページ、ISBN 4-7872-7208-X
  2. ^ 傅雷夫婦“葉落帰根”骨灰落葬浦東(東方網・上海)
  3. ^ “Just in: Major pianist dies of Covid – Slipped Disc” (英語) (2020年12月28日). 2020年12月28日閲覧。
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