トウネズミモチ

トウネズミモチ
Ligustrum lucidum
Ligustrum lucidum(2005年6月11日撮影)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : 真正キク類I Euasterids I
: シソ目 Lamiales
: モクセイ科 Oleaceae
: オリーブ連 Oleeae
: イボタノキ属 Ligustrum
: トウネズミモチ L. lucidum
学名
Ligustrum lucidum Aiton[1]
和名
トウネズミモチ(唐鼠黐)
英名
glossy privet

トウネズミモチ(唐鼠黐、学名: Ligustrum lucidum)は、モクセイ科イボタノキ属の常緑高木。

特徴

常緑広葉樹の高木[2]は楕円形で厚く光沢があり、ネズミモチよりも大きく、葉脈が透けて見える[2]。花期は6 - 7月頃で[2]、枝先にネズミモチよりも大きな円錐形の花序を出して、黄白色のを多数咲かせる[2]

果実は12月頃に紫黒色に熟す[2]

  • 幹
  • 花
  • 果実
    果実

ネズミモチとの区別

トウネズミモチの場合、葉裏をに透かしてみると葉脈主脈側脈も透けて見えるが、ネズミモチの方は、主脈が見えるものの側脈は見えないので判別できる。また、果実はともに楕円形であるが、トウネズミモチの方が形に近く、ネズミモチはやや細長い。また、総じてネズミモチの方が樹高が低い。

分布・生育地

中国中南部原産。日本では明治時代初期渡来した[2]帰化植物

利用

大気汚染公害に強いことから、都市部を中心に公園緑化樹などに利用される[2]。よく目にする生け垣の利用は、国産の近縁種ネズミモチが殆どである。

漢名を女貞といい、果実を干したものは女貞子(じょていし)と称する生薬で、ネズミモチ同様に強壮剤にする[2]

近年、に依るの被害も拡大し、問題視されている。急速に日本各地に広がりだしているため、侵略的外来樹木としても注意が必要である(要注意外来生物[3]

脚注

  1. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Ligustrum lucidum Aiton”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年8月28日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 93.
  3. ^ 伊藤千恵 2007.

参考文献

  • 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、90頁。ISBN 4-522-21557-6。 
  • 伊藤千恵、藤原一繪「都市域森林群落における外来種トウネズミモチ Ligustrum lucidum Ait.の分布と生態的特性 : 在来種ネズミモチLigustrum japonicum Thunb.と比較して」(PDF)『保全生態学研究』第12巻第2号、日本生態学会、2007年、143 - 150頁、ISSN 1342-4327、NAID 110006474150。 
  • 吉永知恵美、亀山章「都市におけるトウネズミモチ Ligustrum lucdum Ait.) の分布拡大の実態」(PDF)『日本緑化工学会誌』第27巻第1号、日本緑化工学会、2001年、44-49頁、ISSN 0916-7439、NAID 110002938641。 
  • 茂木透写真『樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物』高橋秀男・勝山輝男監修(改訂第3版)、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2003年、284頁。ISBN 4-635-07005-0。 
  • 林将之『葉で見わける樹木 増補改訂版』小学館〈小学館のフィールド・ガイドシリーズ〉、2010年、155頁。ISBN 978-4-09-208023-2。 

関連項目

外部リンク

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