シェルピンスキーのカーペット

シェルピンスキーのカーペットの6ステップ
カントールの塵

シェルピンスキーのカーペット: Sierpinski carpet: dywan Sierpińskiego)は、1919年、ヴァツワフ・シェルピンスキが発表した平面フラクタルカントール集合2次元一般化したものである。同様のものとして「カントールの塵」もある。2次元平面に投影された任意の1次元のグラフがシェルピンスキーのカーペットの部分集合に対して位相同型であるという意味において、このフラクタルはユニバーサル曲線(英語版)であることをシェルピンスキーは示した。自己交差せずに2次元表面に描けない曲線について、対応する universal curve はメンガーのスポンジであり、より高次元の一般化である。

この技法は三角形四角形六角形などによる平面充填にも応用できる。平面充填以外には応用できないとされている。

構築

シェルピンスキーのカーペットを構築するには、まず1つの正方形を始点として、それを各辺が3分割された9つの合同な部分正方形に分割し、中央の部分正方形を取り除く。そしてそれと同じことを残りそれぞれの8つの部分正方形に「無限に」再帰的に適用する。カーペットのハウスドルフ次元log 8/log 3 ≈ 1.8928 である。

カーペットの面積は(標準的なルベーグ測度では)0である。

段階図

ブラウン運動との関係

近年、シェルピンスキーのカーペット上のブラウン運動が、複数の学術関係者による研究の対象となっている[1][2]Martin Barlow(英語版)Richard Bass(英語版) は、シェルピンスキーのカーペット上のランダムウォークが単なる平面でのランダムウォークよりもゆっくり拡散することを示した[3]。後者では n ステップ後の平均距離が n1/2 、つまり n比例するが、シェルピンスキーのカーペット上では n1/β に比例し、β > 2 である。彼らはまた、このランダムウォークが強い大偏差不等式を満足し、楕円ハルナック不等式を満たしつつ、放物線ハルナック不等式は満たさないという性質を持つことを示した。このような具体例の存在は長年の未解決問題だった。

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、シェルピンスキーのカーペットに関連するメディアがあります。

脚注

  1. ^ “第35回-熊谷氏”. 大阪科学賞. 2022年10月2日閲覧。
  2. ^ “学位論文要旨詳細”. gakui.dl.itc.u-tokyo.ac.jp. 2022年10月2日閲覧。
  3. ^ Martin T. Barlow, Richard F. Bass, Takashi Kumagai, Alexander Teplyaev, Brounian motion on the Sierpinski carpet 2008

外部リンク

  • Variations on the Theme of Tremas II
  • Sierpiński Cookies
特徴
An image of a fern which exhibits affine self-similarity.
反復関数系
ストレンジアトラクター
  • 多重フラクタル系(英語版)
L-system
Escape-time
fractals
確率的フラクタル
人物
その他
  • "How Long Is the Coast of Britain?(英語版)"
  • List of fractals by Hausdorff dimension(英語版)
  • The Beauty of Fractals(英語版) (1986 book)
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