キバナバラモンジン

曖昧さ回避 この項目では、ヨーロッパ原産のキクゴボウと呼ばれる植物について説明しています。日本産のキクゴボウと呼ばれる植物については「アザミ」をご覧ください。
キバナバラモンジン
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク類 asterids
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
: フタナミソウ属 Scorzonera
: キバナバラモンジン
S. hispanica
学名
Scorzonera hispanica L.
和名
キバナバラモンジン
キクゴボウ
英名
Black salsify
Spanish salsify
Oyster plant

キバナバラモンジン(鴉葱[1]、学名:Scorzonera hispanica)は、キク目キク科フタナミソウ属の種のひとつ。多年生植物。別名ブラックサルシファイスパニッシュサルシファイブラックオイスタープラント、また単にスコルツォネラとしても種苗業では流通している。

和名

キクゴボウ(菊牛蒡)、西洋黒ゴボウなどと呼ばれることもある。キバナバラモンジン(黄花婆羅門参)という名前はバラモンジン属バラモンジン(Tragopogon porrifolius)と共通するが、別属である[2]。また食用・薬用の根はゴボウと外見は似ているが別属であり、味も異なる。

特徴

キバナバラモンジンの根

名前に黄花とつく通り花弁は黄色で、放射花である。根は直根性で長さ2メートル位まで成長する。直径は約2センチメートルほど。皮は黒く、中身は白い。

南ヨーロッパ近東など地中海沿岸が原産で、学名にあるようにスペインまで分布しているとみなされているが、西洋で初めてスコルツォネラを記録したレオンハルト・ラウヴォルフは、1575年シリアアレッポ市場で発見した。

属名のスコルツォネラという名前は、古フランス語、毒蛇を意味するscorzonという言葉や、イタリア語で黒い皮を意味する"scorza negra"に由来するとされる。

利用

ドイツでのスコルツォネラ農場

薬用、食用根菜としてヨーロッパでは利用されている。ケルト人やゲルマン人は16世紀頃まで人獣共通感染症や蛇の毒を中和すると考えていたため、薬用として利用されていた。イタリアフランスなどで1660年までには栽培されるようになり、後にベルギーなどにも広がった。19世紀にはオランダで「冬アスパラガス」とも呼ばれていた[3]

栄養値が高く、プロテイン脂肪アスパラギン、コリン、カリウムリン分、ナトリウムビタミンA・B1・E・C、イヌリン配糖体などを含む。料理の際は、人参などとともに調理され、アスパラガスのようにホワイトソースやマスタードソースなどをかけて食べる。

現在、本種は、ベルギー、フランス、オランダ、ドイツなどで栽培されている。種苗業での栽培品種としては、ドイツのHoffmanns Schwarzer Pfahlや、Scorzonera Duplexなどが有名である[4]

画像

  • 葉
  • 花のアップ
    花のアップ
  • 花
  • 市場で取り引きされる根
    市場で取り引きされる根

脚注

  1. ^ 『難訓辞典 中山泰昌編』東京堂出版、1956年。 
  2. ^ 嶋田英誠「跡見群芳譜巻六外来植物譜」、嶋田英誠「跡見群芳譜巻五野草譜ふたなみそう (二並草)」
  3. ^ COQUINARIA
  4. ^ seedaholic

参考文献、外部リンク

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